「C値はいくつなら合格なのか」を調べても、はっきりした答えにたどり着けない。
そう感じている方は少なくありません。
同じ「高気密住宅」という言葉でも、測っているかどうか、どう計算しているかで中身はまったく違います。
ここでは、目安になる数値の考え方、測定の流れと費用、報告書で見落としやすい点、依頼先を見極めるための質問までを整理します。
読み終える頃には、営業担当者から示された数値をそのまま受け取るのではなく、自分で確かめられる状態になります。
気密測定とC値の基準を調べてもモヤモヤが残る理由

ご相談で特に多いのは、「調べるほど基準の言い方がバラバラで、どこを信じればいいのか分からない」「見学会で聞いたC値が、これから建てる自分の家の数値なのかどうか分からない」というお声です。
実は、この分かりにくさには構造的な理由があります。
- 国の省エネ基準にC値の数値規定がない
- カタログの数値と実際に建つ家の数値は別物
答えが見つからない原因から確認していきます。
国の省エネ基準にC値の数値規定がない
結論から言うと、現在の国の省エネ基準には、C値(相当隙間面積)の数値規定がありません。
「国が決めた合格ライン」が存在しないため、各社が独自の目標値を語っている状態です。
かつての省エネ基準では地域ごとに相当隙間面積の基準値が設けられていましたが、現在は数値の規定が置かれていません。
断熱性能の上位等級を新設した際にも、気密性の等級を設けるべきという意見に対し、国は「気密性は、施工精度によるため、設計内容を基に評価する住宅性能表示制度ではなく、引き続き、ガイドライン等により施工上の留意点について周知してまいります」と回答しています。
参照:国土交通省「住宅性能表示制度の見直しについて(資料2-1)」
言い換えれば、C値は設計図の審査では判定できず、実際に建てた家を測らないと分からない性能だということです。
基準がないから重要ではないのではなく、図面で保証できないからこそ測る意味があります。
カタログの数値と実際に建つ家の数値は別物
C値は、同じ設計図でも施工の丁寧さで変わります。
窓の種類と数、配線や配管が壁を貫通する部分の処理、防湿シートの重ね方など、現場での積み重ねが数値に直結するためです。
現場の実感として大きいのが窓です。
引き違いサッシは可動部が擦れ合う構造上どうしても隙間が生まれるため、気密がゼロになることはありません。
この点は、実際に測定を行っている当社の現場担当者も「気密測定を行いまいた。」で率直に触れています。
広告に載っている数値が、モデル棟1棟の測定値なのか、これまでで最も良かった数値なのか、全棟の平均値なのかで意味はまったく変わります。
自分の家の性能は、自分の家を測って初めて分かる。
ここが出発点になります。
C値の基準と目安はどの数値で判断すればいいのか

結論を先にお伝えすると、判断の軸は「1.0」「0.5」「0.3」の3つの数値です。
国の規定がないぶん、どのラインで何が変わるのかを知っておくと、説明の妥当性を自分で判断できます。
- 高気密と呼べる目安はC値1.0以下・実用ラインは0.5以下
- C値0.2〜0.3はどのくらいの隙間なのか(体感でわかる換算)
- C値とUA値は役割が違う(気密は断熱を効かせる土台)
順に見ていきます。
高気密と呼べる目安はC値1.0以下・実用ラインは0.5以下
一般に、C値1.0以下が高気密住宅と呼ばれる入口の目安とされています。
ただし1.0は隙間が少ない家の仲間入りをした水準であり、性能を実感しやすいのは0.5以下です。
理由は換気にあります。
住宅には24時間換気が義務づけられていますが、隙間が多いと空気は換気経路ではなく隙間から出入りしてしまい、設計どおりの空気の流れになりません。
0.5を切ったあたりから、計画換気が想定に近い形で機能しやすくなるとされています。
さらに0.3前後まで下がると、温度ムラや冬の足元の冷えを感じにくくなるとされています。
気密と断熱をセットで考える理由については、「栃木県宇都宮で後悔しない高気密高断熱・ZEH住宅の選び方」でも整理しています。
C値0.2〜0.3はどのくらいの隙間なのか(体感でわかる換算)
数値だけでは実感が湧かないため、面積に置き換えてみます。
延べ床30坪ほどの家でC値1.0は、家じゅうの小さな隙間を全部かき集めるとハガキ1枚分ほどと言われる大きさで、この考え方は現場スタッフの記事「気密って何?」でも紹介しています。
| C値の目安 | 30坪の家の隙間イメージ | 暮らしへの影響 |
|---|---|---|
| 1.0 | ハガキ1枚分ほど | 高気密の入口。風の強い日は体感差が出やすい |
| 0.5 | ハガキの半分ほど | 計画換気が設計に近い形で働きやすい |
| 0.3 | 名刺1枚以下 | 温度ムラが小さく、換気効率が安定しやすい |
実際に那須塩原市の現場で行った測定では、目標0.5に対して実測0.3という結果でした。
担当者はこの隙間の大きさを「名刺1枚以下くらい」と表現しています。
数値の意味を家族に説明するときは、この面積のイメージが役に立ちます。
なお一般論として、C値0.2まで下がると30坪で名刺半分以下の隙間になる計算で、測定と手直しを繰り返してはじめて届く水準です。
C値とUA値は役割が違う(気密は断熱を効かせる土台)
C値とよく並べて語られるUA値は、役割がまったく違います。
UA値は断熱材や窓の仕様で決まる設計上の性能で、C値は現場の施工精度で決まる性能です。
厚手のセーターを着ていても、風を通せば体は冷えます。
断熱材をどれだけ厚くしても、隙間から外気が入れば性能は目減りする。
だからこそ気密は、断熱を効かせるための土台と表現されます。
住宅性能を比較するときは、UA値だけでなく、その数値をどう実現しているかまで見てください。
当社の規格住宅と注文住宅の考え方はリアンコーポレーションの注文住宅ラインナップにまとめています。
気密測定はいつ・どのように行われるのか

測定と聞くと大がかりな印象を持たれますが、半日ほどで終わる作業です。
押さえるべきポイントは3つあります。
- 測定のタイミングは中間と完成後の2回がある
- 送風機で家を減圧して測る測定当日の流れ
- 気密測定にかかる費用と負担者の考え方
ひとつずつ確認していきます。
測定のタイミングは中間と完成後の2回がある
気密測定には、断熱と気密の工事が終わって内装下地を張る前に行う中間測定と、引き渡し前に行う完成測定があります。
実務で重要なのは中間測定です。
この段階なら隙間の位置を特定して手直しができるためで、内装が仕上がってからでは、原因箇所に手を入れること自体が難しくなります。
一方で完成測定は、住まいとして仕上がった状態の記録になります。
どちらか一方しか行わない会社もあるため、いつ測るのかは必ず確認しておきたい項目です。
中間測定で漏気が見つかりやすいのは、コンセントボックスの裏、配管や換気ダクトが壁を貫通する部分、サッシまわりの取り合いです。
位置が分かればその日のうちに気密テープや発泡ウレタンで手当てでき、再測定で改善を確認できます。
送風機で家を減圧して測る測定当日の流れ
測定は「JIS A 2201 送風機による住宅等の気密性能試験方法」に基づいて行われます。
この試験方法を習得した専門家は気密測定技能者として登録されており、測定結果は住宅の性能を示す記録としても活用されています。
参照:一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター「気密測定技能者養成事業」
当日は、窓や玄関を閉め、換気口を一時的にふさいだうえで、開口部に取り付けた送風機で室内の空気を外に出します。
室内外の気圧差と、そのとき流れた風量から家全体の隙間面積を割り出し、床面積で割った数値がC値です。
作業は数時間で終わるため、施主が立ち会って数値が出る瞬間を見ることもできます。
気密測定にかかる費用と負担者の考え方
費用の扱いは会社によって分かれます。
建築費にあらかじめ含めて全棟で測る場合と、希望者だけのオプション費用として提示する場合の2パターンです。
金額そのものは、建物の大きさや依頼先によって幅があります。
ここで確認すべきなのは金額よりも仕組みで、オプション扱いということは、測らない家が生まれる前提の体制だという意味になります。
見積書に測定費が計上されているか、全棟測定なのか抜き取りなのか。
この2点を聞くだけで、性能に対する姿勢はかなり見えてきます。
何にお金をかけるかの優先順位は「新築オプションの優先順位|後悔しないための賢い選び方と予算管理」も参考になります。
家づくりの見積もりや性能の考え方は、知っているか知らないかで数百万円単位の差が出ることもあります。
判断材料を持たないまま契約して後から気づくのは、もったいないことです。
検討段階のうちに、無料の家づくり相談をご活用ください。
気密測定の報告書で見落とすと損をするポイント

数値を受け取って安心してしまうと、せっかくの測定が確認作業で終わってしまいます。
報告書には、読み方を知らないと見落とす情報が含まれています。
- 同じ家でも計算の取り方で数値は変わる
- 「モデル棟1棟だけの参考値」と実測値は意味が違う
- C値は引き渡し後に少しずつ変化する
それぞれ具体的に紐解いていきます。
同じ家でも計算の取り方で数値は変わる
C値は、家全体の隙間面積の合計を床面積で割って求めます。
この分母をどう取るかで、同じ建物でも数値が変わる点は意外と知られていません。
建築基準法上の延べ床面積で割るのか、吹抜けや小屋裏・床下の気積を考慮した実質延べ床面積で割るのかによって差が出るため、報告書では分母の取り方をあわせて確認しておくと安心です。
そのほか、測定日・測定者・使用機器・そのときの風の強さも記載されます。
風が強い日は測定値が不安定になりやすいため、条件までセットで見るのが実務の見方になります。
「モデル棟1棟だけの参考値」と実測値は意味が違う
「当社のC値は0.3です」という説明を聞いたら、その数値の出どころを1つ聞いてみてください。
全棟の平均値なのか、これまでで最も良かった1棟なのか、モデルハウス1棟の記録なのかで、意味はまったく違います。
平均値を公表するには、そもそも多くの棟を測っていることが前提になります。
当社も公式サイトで気密性能C値0.28(平均実測値)を公開しています。
数値の大小より、母数と算出根拠を聞く。
ここが報告書を読むうえでの分かれ目です。
C値は引き渡し後に少しずつ変化する
住み始めた後の変化にも触れておきます。
木造住宅は木材の乾燥収縮が進むため、C値は経年でわずかに大きくなる傾向があるとされています。
地震の揺れや、経年による部材の動きも影響します。
引き渡し時点の数値が一生続くわけではない、という前提で見ておくと現実的です。
だからこそ、初期の数値に余裕を持たせておく意味があります。
1.0ぎりぎりの家と0.3の家では、10年後の状態にも差が生まれやすくなります。
宇都宮で気密性能を確かめるときのチェックリスト

ここまでの内容を、会社選びの場面で使える形にまとめます。
契約前の数分の質問で、後から取り返しのつかない差を防げます。
- 契約前に必ず聞いておきたい4つの質問
- 冬の冷え込みが強い栃木の気候で気密が効く理由
- 実測値を公開しているかどうかで会社の姿勢が見える
まずは質問リストから確認します。
契約前に必ず聞いておきたい4つの質問
1つ目は
「気密測定は全棟で行っていますか、それとも抜き取りですか」。
全棟測定なら、自分の家の数値が必ず手元に残ります。
2つ目は
「測定は中間と完成後のどちらで行いますか」。
手直しできるタイミングで測っているかどうかを確認する質問です。
3つ目は「報告書はもらえますか。C値の分母は何ですか」。
書面で残るかどうかは、性能を約束として扱っているかの目安になります。
4つ目が本命で、
「目標値を下回ったときはどう対応しますか」。
この答えに具体性があるかどうかで、日頃どれだけ数値と向き合っているかが分かります。
4つとも、専門知識がなくてもそのまま口に出せる質問です。
答えに詰まるか、具体的な手順がすぐ出てくるかで、性能を数値で管理している会社かどうかが見えてきます。
冬の冷え込みが強い栃木の気候で気密が効く理由
宇都宮市は、国が定める省エネ基準の地域区分では5地域にあたります。
栃木県内でも日光市のように、より寒い区分に分けられている地域があります。
栃木県の平野部は冬の晴天日が多く、放射冷却で朝の冷え込みが強くなりやすい土地柄です。
隙間風は室温そのものより体感温度を下げるため、朝の脱衣所や足元の冷たさとして表れます。
同じ間取りでも、気密が確保された家では朝の底冷えの感じ方が変わってきます。
実際に建った住まいの雰囲気はリアンコーポレーションの施工事例でご覧いただけます。
実測値を公開しているかどうかで会社の姿勢が見える
最後の見極めポイントは情報公開です。
良い数値だけを載せるのは簡単ですが、日々の現場で測っている会社は、測定の様子そのものを現場ブログで発信しています。
当社では現場での気密測定の結果をスタッフブログで公開し、公式サイトにも平均実測値を掲載しています。
家づくりに対する考え方はリアンコーポレーションのコンセプトにまとめています。
栃木県全域でリフォームも含めて13,000件以上の施工実績とGoogleクチコミ評価★4.6の背景には、こうした情報公開の積み重ねがあります。
「他社の説明が本当に妥当なのか分からない」「もう少し早く相談していれば違う選択ができたのに」というご相談を、私たちは何度も受けてきました。
判断材料がないまま話が進んでしまうことほど、もったいないことはありません。
検討段階のうちに、性能の考え方を第三者の目線で確かめてみてください。
気密測定とC値の基準でよくある質問

最後に、お問い合わせで多くいただく質問をまとめました。
- Q. 一般的な住宅のC値の平均はどのくらいですか?
- Q. C値の基準が国の省エネ基準からなくなったのはなぜですか?
- Q. 建売住宅のC値の基準はどうなっていますか?
- Q. 引き違い窓が多いとC値はどのくらい変わりますか?
- Q. 気密測定は自分で依頼できますか?費用はいくらですか?
Q. 一般的な住宅のC値の平均はどのくらいですか?
全国の平均値として公表されている公的な統計はありません。
測定が義務ではないため、そもそも測っていない住宅が相当数あるからです。
そのうえで目安を挙げるなら、1.0以下で高気密と呼ばれる水準、0.5以下で計画換気が働きやすい水準と考えるのが現実的です。
Q. C値の基準が国の省エネ基準からなくなったのはなぜですか?
気密性能が施工精度に左右され、設計内容をもとに評価する制度になじみにくいことが理由とされています。
国も、気密性については基準値ではなくガイドライン等で施工上の留意点を周知する方針を示しています。
基準がないことは、重要ではないことを意味しません。
むしろ会社ごとの差が出やすい項目だといえます。
Q. 建売住宅のC値の基準はどうなっていますか?
建売住宅にもC値の法的な基準はありません。
2025年4月以降、新築住宅には省エネ基準への適合が義務づけられていますが、これは断熱性能とエネルギー消費性能に関するもので、気密性能の数値は対象外です。
購入を検討する際は、気密測定を実施しているか、報告書を見せてもらえるかを確認してみてください。
Q. 引き違い窓が多いとC値はどのくらい変わりますか?
何ポイント悪化すると一律に言える性質のものではありませんが、引き違いサッシは可動部の構造上、他の窓種より隙間が生じやすい傾向があります。
数が多いほど不利に働きやすいのは確かです。
窓の種類と配置は間取りの段階で決まります。
採光や通風とのバランスを含め、設計の早い時期に相談しておくと後悔が減ります。
なお、今お住まいの家の窓の隙間風や結露が気になる場合は、同じ株式会社リアンコーポレーションが手がける窓リノベ本舗が既存住宅の窓断熱を専門に扱っています。
Q. 気密測定は自分で依頼できますか?費用はいくらですか?
施主が測定機関へ直接依頼することも可能ですが、工事中の現場に立ち入る許可と工程の調整が必要になるため、施工会社を通すほうが現実的です。
費用は建物の規模や依頼先によって幅があるため、まずは見積書に測定費が含まれているかを確認するのが早道です。
測定の有無や報告書の扱いに不安が残る方は、リアンコーポレーションの見学会・相談会で実際の数値を見ながらご相談いただけます。
気密測定とC値の基準を踏まえた家づくりのまとめ

気密測定とC値の基準について整理してきました。
国の基準に数値規定がないからこそ、判断の軸は「測っているか」「報告書が残るか」「数値の出どころはどこか」の3点に集約されます。
目安は1.0が入口、0.5が実用ライン、0.3前後で温度ムラを感じにくい水準です。
株式会社リアンコーポレーションは、宇都宮市の本社を中心に栃木県全域で家づくりをお手伝いしてきました。
施工実績はリフォームも含めて13,000件以上、Googleクチコミ評価は★4.6。
公式サイトでは気密性能C値0.28(平均実測値)を公開し、那須塩原市の現場では目標0.5に対して実測0.3という結果をスタッフブログでそのままお伝えしています。
断熱等級5を標準仕様とし、資金計画から土地探しまでハッピーライフアドバイザーが伴走します。
「カタログの数値が自分の家にも当てはまるのか不安」「性能の話が専門的すぎて比較できない」「予算内でどこまで性能を上げられるのか分からない」。
こうしたお悩みは、実際の建物を見ながら話すといちばん早く解けます。
なお、省エネ基準や補助制度の内容は年度によって変わります。
最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
宇都宮市・栃木県で家づくりをご検討中の方に向けて、完全予約制の家づくり相談会のほか、見学会も随時開催しています。
数値の見方から一緒に確認していきますので、お気軽にお立ち寄りください。



