「断熱等級5で十分」という説明と、「等級5では寒い」という声。
どちらも目にして、判断がつかなくなっていませんか。
同じ等級5でも、窓の仕様や気密の作り方、日射の取り込み方によって、住んでからの体感はかなり変わります。
等級という数字は設計の評価であって、暮らしの快適さをそのまま表した数値ではないからです。
ここでは、等級4から7までの違いを数値で押さえたうえで、義務化後にどこを基準に考えればいいのか、光熱費をどこまで抑えられるのかまでを整理します。
読み終える頃には、自分の家に必要な水準を自分の言葉で判断できるようになります。
断熱等級5は寒いと言われるのはなぜか

ご相談で特に多いのが、「等級5で契約しようとしたら、知人に等級6じゃないと寒いと言われて不安になった」「性能の話が数字ばかりで、結局どれくらい暖かいのか想像がつかない」というお声です。
この食い違いには、はっきりした理由があります。
- 「等級5では不十分」という声が出てくる背景
- 寒いと感じる家に共通する条件は断熱だけではない
まずは、声が分かれる理由から確認します。
「等級5では不十分」という声が出てくる背景
断熱等級5は、ZEH水準に相当する等級として2022年に新設されました。
当時は最高等級でしたが、同じ年により上位の等級6と等級7が設けられ、相対的に「真ん中の等級」という位置づけに変わりました。
宇都宮市が含まれる5地域で見ると、等級5のUA値基準は0.60以下、等級6は0.46以下、等級7は0.26以下です。
上に2段階あることが、等級5では物足りないという印象につながっています。
ただし、等級が上がるほど窓や断熱材の仕様も上がり、建築費も上がります。
上限を目指すのが正解なのではなく、必要な水準を見極めることが本題です。
寒いと感じる家に共通する条件は断熱だけではない
実際に「寒い」と感じる家には、断熱等級以外の共通点があります。
隙間からの空気の出入りが多い、窓の面積が大きく性能が低い、冬の日射を取り込めない配置になっている、暖房の効かせ方が部屋単位になっている、といった条件です。
UA値は建物全体の平均値です。
大きな引き違い窓や玄関土間のように、局所的に冷えやすい部分があっても、平均値には表れにくい性質があります。
現場で相談を受けていても、等級よりも窓の配置と気密で体感が分かれるケースは多いものです。
等級を上げる前に、まず窓と気密を見直すほうが効く場面も少なくありません。
断熱等級5の性能をUA値と体感で正しくつかむ

判断の土台になるのは、地域区分ごとに決められたUA値の基準です。
ここを押さえると、営業担当者の説明が妥当かどうかを自分で確かめられます。
- 断熱等級5のUA値基準と地域区分の考え方
- 断熱等級4・5・6・7の違いを一覧で比較する
- 等級5で足りるケースと物足りなく感じるケース
順番に見ていきます。
断熱等級5のUA値基準と地域区分の考え方
UA値は外皮平均熱貫流率と呼ばれ、室内の熱がどれだけ外へ逃げやすいかを表す数値です。
小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。
基準値は全国一律ではなく、寒さに応じて1地域から8地域に分けられた地域区分ごとに決められています。
宇都宮市は5地域にあたり、等級5の基準はUA値0.60以下です。
同じ栃木県内でも、日光市のように、より寒い区分に分けられている地域があります。
県内だから同じ仕様でよいとは限らない点に注意してください。
断熱等級4・5・6・7の違いを一覧で比較する
5地域を前提に、等級ごとの基準値と位置づけを並べると違いがはっきりします。
| 断熱等性能等級 | 5地域のUA値基準 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 等級4 | 0.87以下 | 省エネ基準の水準。2025年4月以降の新築で適合が義務 |
| 等級5 | 0.60以下 | ZEH水準として2022年に新設 |
| 等級6 | 0.46以下 | 暖冷房エネルギーを概ね30%削減する水準が目安 |
| 等級7 | 0.26以下 | 暖冷房エネルギーを概ね40%削減する水準が目安 |
等級6・7の水準は、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量の削減率を目安に設定されたものです。
等級5はその手前に位置し、ZEHの断熱性能として広く使われてきた水準にあたります。
出典:国土交通省「住宅性能表示制度の見直しについて(資料2-1)」
等級5で足りるケースと物足りなく感じるケース
同じ等級5でも、暮らし方や間取りによって評価が変わります。
判断材料として整理しておきます。
★等級5で足りやすいケース
- 日中は家族が外出していて、在宅時間が短い
- 平屋やコンパクトな総二階など、外皮面積が抑えられた形
- 気密がしっかり確保され、冬の日射を取り込める配置になっている
★物足りなく感じやすいケース
- 大きな吹き抜けや大開口の窓を計画している
- 在宅時間が長く、家じゅうを暖かく保ちたい
- 寒がりのご家族や高齢のご両親と同居する
当社では断熱等級5を標準仕様としたうえで、実際の建築実績ではUA値0.50から0.54を多く実現しています。
この考え方は「ZEH水準超えが標準仕様。弊社の断熱性能をご紹介します」でも紹介しています。
商品ごとの仕様の違いはリアンコーポレーションの注文住宅ラインナップでご確認いただけます。
義務化後の家づくりで等級5が判断の分かれ目になる理由

2025年4月から、新築住宅には省エネ基準への適合が義務づけられました。
ここで誤解が起きやすいのが、義務化されたラインがどの等級なのかという点です。
- 義務化されたのは等級4相当の水準
- 等級5がこれからの最低ラインとされている流れ
- 等級の数字だけでは住み心地が決まらない理由
制度の全体像から押さえていきます。
義務化されたのは等級4相当の水準
2025年4月以降に着工する住宅は、原則として省エネ基準への適合が必要になりました。
この省エネ基準にあたるのが、断熱等性能等級4に相当する水準です。
つまり、義務を満たしているだけでは等級5には届きません。
「基準に適合しています」という説明は、等級5を満たしている意味ではないため、必ず等級で確認してください。
等級5がこれからの最低ラインとされている流れ
国は、遅くとも2030年までに省エネ基準をZEH水準へ引き上げる方針を示しています。
ZEH水準は断熱等性能等級5にあたるため、いま等級5で建てることは、将来の最低ラインを先取りしておく意味を持ちます。
住宅は30年、40年と使い続ける資産です。
10年後に「当時の最低基準ぎりぎりだった家」になるのか、「その時点の基準を満たしている家」でいられるのかは、売却や住み替えを考える場面でも差になります。
判断に迷ったときは、今の基準ではなく、住み続ける年数のなかで基準がどう動くかを軸にすると決めやすくなります。
等級の数字だけでは住み心地が決まらない理由
等級は、設計図の内容をもとに評価される指標です。
同じ等級5で建てても、現場の施工精度によって隙間の量は変わり、体感も変わります。
国も気密性については等級を設けておらず、施工上の留意点として周知する方針を取っています。
裏を返せば、気密は会社ごとの差が出やすく、図面では比較できない部分だということです。
断熱と気密をセットで考える理由は「栃木県宇都宮で後悔しない高気密高断熱・ZEH住宅の選び方」でも詳しく触れています。
光熱費ゼロの住宅は本当に可能なのか

結論からお伝えすると、条件がそろえば年間の収支をゼロに近づけることは可能ですが、毎月の請求が必ず0円になるという意味ではありません。
ここを混同すると、後から「話が違う」と感じる原因になります。
- 光熱費がゼロに近づく3つの条件
- 「光熱費ゼロ」で見落とされがちな費用と前提
- 断熱等級5と気密性能で光熱費をどこまで抑えられるか
条件から順に検証していきます。
光熱費がゼロに近づく3つの条件
1つ目は、断熱と気密で使うエネルギーそのものを減らすことです。
暖冷房の消費を抑えられなければ、いくら発電しても追いつきません。
2つ目は、太陽光発電で電気を創ることです。
屋根の面積と方位、周囲の建物による影の影響で発電量は変わるため、間取りと屋根形状の段階から検討する必要があります。
3つ目は、創った電気をできるだけ自分で使うことです。
売電単価は年度ごとに国が決める仕組みのため、売る前提より、蓄電池やエコキュートで自家消費率を高めるほうが収支は読みやすくなります。
「光熱費ゼロ」で見落とされがちな費用と前提
見落とされやすいのが、太陽光で発電していても残る費用です。
電気の基本料金は契約している限りかかり、再生可能エネルギー発電促進賦課金は電力会社から買った電気の量に応じて上乗せされます。
太陽光発電にも初期費用があり、パワーコンディショナーなどの機器はいずれ交換が必要になります。
冬は日射時間が短く発電量が落ちるため、12月から2月は購入電力が増えるのが一般的です。
したがって「光熱費ゼロにできます」と言い切ることはできません。
年間を通した収支をゼロに近づける設計は可能、という表現が実態に近い言い方になります。
断熱等級5と気密性能で光熱費をどこまで抑えられるか
暖冷房にかかるエネルギーは、断熱等級を上げるほど減らせる設計になっています。
等級6・7の基準値そのものが、暖冷房の一次エネルギー消費量の削減率を目安に決められていることからも、その関係は読み取れます。
ただし、断熱材を厚くしても隙間が多ければ効果は目減りします。
当社が公式サイトで気密性能C値0.28(平均実測値)を公開しているのは、断熱を効かせる土台として気密を重視しているためです。
現場での測定の様子は「気密測定を行いまいた。」でご覧いただけます。
なお、ZEH基準の水準の省エネ性能を確保した住宅の割合は、2024年度・2025年度ともに100%となっています。
実績値はリアンコーポレーションのZEH普及目標と実績で公開しています。
住まい方や設備によって金額は変わるため、光熱費を断定することはできません。
それでも、消費を減らす設計と創エネを組み合わせることで、支出を抑えやすい家に近づけることはできます。
家の性能と光熱費の話は、間取りが固まる前に検討するほど選択肢が広がります。
判断材料がないまま仕様を決めてしまい、引き渡し後に気づくのはもったいないことです。
仕様を決める前の段階で、無料の家づくり相談をご利用ください。
宇都宮で断熱等級5の家を建てるときの確認ポイント

同じ等級5でも、会社によって中身は違います。
契約前に確認しておきたい実務的なポイントを3つに絞ってお伝えします。
- 冬の冷え込みが強い栃木の気候で必要になる性能水準
- 標準仕様なのかオプションなのかを必ず確認する
- 等級を上げる費用と支援制度をどう考えるか
気候の話から始めます。
冬の冷え込みが強い栃木の気候で必要になる性能水準
栃木県の平野部は冬の晴天日が多く、放射冷却で朝の冷え込みが強くなりやすい土地柄です。
日中は日射を取り込みやすい一方、朝晩の冷え方が体感に直結します。
宇都宮市は5地域にあたるため等級5の基準はUA値0.60以下ですが、実際の設計では基準ぎりぎりではなく、少し余裕を持たせた数値を目指すほうが安心です。
南面の窓で日射を取り込み、夏は庇や日射遮蔽型のガラスで熱を遮る。
この組み合わせが栃木の気候には合っています。
小山市や大田原市など県内でも気候条件は異なるため、土地が決まった段階で日当たりと風向きを確認しておくと計画がぶれません。
標準仕様なのかオプションなのかを必ず確認する
「等級5に対応できます」と「標準仕様が等級5です」は、まったく意味が違います。
対応できるという表現は、追加費用を払えば可能という意味であることが少なくありません。
確認したいのは、断熱材の種類と厚み、サッシとガラスの仕様、そしてそれが見積書の標準仕様に含まれているかどうかです。
書面で残る形にしておくと、後から仕様が変わるトラブルを避けられます。
当社は断熱等級5を標準仕様とし、気密性能C値0.28(平均実測値)を公開しています。
家づくりの考え方はリアンコーポレーションのコンセプトにまとめています。
何にお金をかけるかの優先順位は「新築オプションの優先順位|後悔しないための賢い選び方と予算管理」も参考になります。
等級を上げる費用と支援制度をどう考えるか
等級を上げる費用は、建物の大きさと仕様によって幅があるため一律には言えません。
ただし優先順位ははっきりしていて、住宅の熱の出入りは開口部の影響が大きいため、まず窓のグレードを上げるほうが費用対効果を得やすいとされています。
費用面では国の支援制度も判断材料になります。
みらいエコ住宅2026事業では、5地域から8地域の新築の場合、GX志向型住宅が110万円、長期優良住宅が75万円、ZEH水準住宅が35万円と定められています。
1地域から4地域にはこれより高い金額が設定されており、宇都宮市を含む5地域は寒冷地向けの上乗せがない区分にあたります。
一方で、建て替えのように既存住宅の除却をともなう場合の加算は、長期優良住宅とZEH水準住宅について地域区分にかかわらず用意されているため、自分のケースがどれに当たるかを確認しておくと判断しやすくなります。
制度の内容は年度によって変わります。
受付状況や対象要件は公式サイトの最新情報をご確認ください。
補助制度の全体像は「子育てグリーン住宅支援事業2026で新築する補助金ガイド」でも整理しています。
「もう少し早く相談していれば、別の仕様を選べたのに」というお声を、これまで何度も伺ってきました。
等級や補助制度は、間取りと予算が固まる前に把握しておくほど選べる幅が広がります。
迷っている段階でこそ、専門家の目で整理する機会をお使いください。
断熱等級5でよくある質問

最後に、ご相談の場で多くいただく質問にお答えします。
- Q. 断熱等級4から5にリフォームするにはどうしたらいいですか?
- Q. 自分の家の断熱等級はどこで確認できますか?
- Q. 断熱等級5の家は冬の室温が何度くらいになりますか?
- Q. 断熱等級5から6に上げるにはいくらかかりますか?
- Q. 断熱等級5は夏の暑さにも効果がありますか?
Q. 断熱等級4から5にリフォームするにはどうしたらいいですか?
まず窓の断熱改修から検討するのが一般的です。
等級は建物全体の外皮性能で判定されるため、窓だけで等級が上がるとは限りませんが、体感の改善はもっとも早く表れます。
既存住宅の窓断熱は、同じ株式会社リアンコーポレーションが手がける窓リノベ本舗が専門に対応しています。
既存住宅で等級を証明したい場合は、外皮の計算をやり直す必要があります。
図面が残っているかどうかで進め方が変わるため、現地調査で判断するのが確実です。
Q. 自分の家の断熱等級はどこで確認できますか?
設計住宅性能評価書や建設住宅性能評価書、長期優良住宅の認定通知書、BELSの評価書に記載されています。
これらがなくても、外皮性能を計算した書類が残っていれば確認できます。
手元に見当たらない場合は、建てた会社に問い合わせるのが早道です。
2025年4月以降に着工した住宅であれば、省エネ基準への適合を確認した書類が残っているため、そこから等級の判断材料をたどれます。
Q. 断熱等級5の家は冬の室温が何度くらいになりますか?
何度になるとお約束できる性質のものではありません。
暖房の運転方法、日射の取り込み方、気密性能、間取りによって結果が変わるためです。
傾向として、断熱と気密を確保したうえでエアコンを連続運転すると、部屋ごとの温度差が小さくなりやすいとされています。
廊下や脱衣所の寒さが気になる方は、この点を設計段階で相談してみてください。
Q. 断熱等級5から6に上げるにはいくらかかりますか?
5地域ではUA値0.60以下から0.46以下へ引き上げることになり、窓のグレードアップと断熱材の増強が中心になります。
金額は延床面積と仕様で変わるため、見積書で比較するのが確実です。
判断のコツは、等級そのものを目的にせず、どこにいくらかけると体感が変わるかで考えることです。
窓から検討すると、費用と効果のバランスを取りやすくなります。
Q. 断熱等級5は夏の暑さにも効果がありますか?
断熱等性能等級は、UA値だけでなく冷房期の平均日射熱取得率という指標もあわせて基準が定められています。
5地域では3.0以下が等級5の基準です。
夏の快適さは、日射をどれだけ遮れるかで大きく変わります。
庇の出や日射遮蔽型のガラス、外付けの日よけを組み合わせると効果的です。
数値だけでは分かりにくい部分ですので、実際の建物で体感を確かめたい方はリアンコーポレーションの見学会・相談会をご利用ください。
断熱等級5で十分かどうかを判断するためのまとめ

断熱等級5が寒いかどうかは、等級だけでは決まりません。
5地域のUA値基準0.60以下という水準を土台に、気密・窓の配置・日射の取り込み方をどう設計するかで住み心地は変わります。
義務化されたのは等級4相当の水準であり、2030年に向けて等級5が最低ラインになる流れを踏まえると、これから建てる家は等級5を出発点に考えるのが現実的です。
株式会社リアンコーポレーションは、宇都宮市の本社を中心に、小山市や大田原市など栃木県全域で家づくりをお手伝いしてきました。
断熱等級5を標準仕様とし、建築実績ではUA値0.50から0.54を多く実現。
気密性能はC値0.28(平均実測値)を公開し、ZEH基準の水準の省エネ性能を確保した住宅の割合は直近で100%となっています。
施工実績はリフォームも含めて13,000件以上、Googleクチコミ評価は★4.6です。
「等級5と等級6のどちらにすべきか決められない」「予算内で性能をどこまで上げられるのか知りたい」「光熱費が本当に下がるのか確かめたい」。
こうしたお悩みは、実際の建物で体感しながら話すのがいちばんの近道です。
なお、省エネ基準や補助制度の内容は年度によって変わります。
申請の要件を含め、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
宇都宮市・栃木県で家づくりをご検討中の方に向けて、完全予約制の家づくり相談会のほか、見学会も随時開催しています。
保育士資格を持つスタッフによる託児のご用意もありますので、お子様連れでもお気軽にお越しください。



